vol.95 【 登坂絵莉 レスリング世界選手権48キロ級で金メダル 】
2020年東京オリンピック実施競技に復帰が決定した10日後に、
日本レスリング界待望の新女王が誕生した。
2013年9月18日、レスリング世界選手権女子48キロ級で
登坂絵莉(とうさかえり。至学館大)は
マエリス・カスティーヨ(ベネズエラ)にテクニカルフォール勝ちし、
2度目の世界選手権で初優勝を果たした。
レスリングは2013年2月の国際オリンピク委員会(以下「IOC」)理事会で
2020年夏季オリンピック実施競技からの除外勧告を受けていたが、
国際レスリング連盟(FILA)のルール改正等への迅速な対応、
五輪チャンピオン:吉田沙保里(トップアスリート列伝 vol.67 参照)
らの積極的なロビー活動も功を奏して、
9月8日のIOC総会でレスリングの2020年東京オリンピックでの復帰が決まった。
一方で、五輪3連覇の吉田、伊調馨(トップアスリート列伝 vol.68 参照)は
東京五輪時には、それぞれ37歳と36歳。
2020年に向けた新勢力の台頭が待たれていた。
明るく前向きな少女だった登坂は、
マット運動が楽しくて富山県:高岡市のクラブで小学校3年の時にレスリングを始め、
小中時代とも全国制覇。
高校は地元を離れ、吉田や伊調らを育てた栄監督を慕って愛知:至学館へ。
初出場の2012年世界選手権は、
試合終了時点では登坂が勝っている状態だったが、
謎のビデオ判定が行われて、判定が覆って銀メダル。
納得出来ず号泣した思いを胸に1年間練習を積んだ。
「本当に悔しい思いをして負けた。
それから世界チャンピオンになるために、
いろんなことをして、
うまくいかないときもありましたけど、
結果につながってよかったです。」
決して腐らずにコツコツ練習を重ねた登坂は、
日本レスリング女子5年ぶり21人目となる新たな世界チャンピオンに輝き、
2020年に向けて日本のお家芸のキーパーソンとなった。
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